「頭皮にオリーブオイルを塗るといい」「毛穴の汚れが取れる」「髪が生えるらしい」など、いろいろな情報を見かけると、結局どこまで本当なのか分かりにくいですよね。
先に結論をいうと、オリーブオイルは頭皮ケア用として使える製品もありますが、誰にでも必要なケアではなく、薄毛やAGAを治すための発毛剤でもありません。
乾燥が気になる人が、頭皮への使用を想定した化粧用オリーブオイルを少量使うのは選択肢のひとつです。一方、赤み・強いかゆみ・脂っぽいフケ・ジュクジュクなどがあるときは、「乾燥しているから油を足そう」と自己判断しないほうがよいケースもあります。
また、近年はオレイン酸などの脂肪酸と毛包再生に関する研究が注目されていますが、「家にあるオリーブオイルを頭皮へ塗れば髪が生える」と確認されたわけではありません。
この記事では、オリーブオイルを使ってよいケース・見送ったほうがよいケースを最初に切り分けたうえで、食用との違い、クレンジングやマッサージの方法、薄毛・フケ・脂漏性皮膚炎との関係まで整理します。
30秒で判断|頭皮にオリーブオイルを使う?見送る?
| 今の状態 | オリーブオイル | まずすること |
|---|---|---|
| つっぱり・乾燥感があり、赤みや強いかゆみはない | 候補にできる | 洗いすぎや熱いお湯を見直し、必要なら頭皮使用可能な化粧用オイルを少量試す |
| 整髪料や皮脂残りが気になり、炎症はない | クレンジング目的で候補 | シャンプー前に少量使い、その日のうちに洗い流す |
| 赤み・ヒリヒリ・強いかゆみがある | いったん見送る | 新しいオイルを追加せず、原因になりそうな刺激を減らす |
| ベタつくフケ・赤みを繰り返す | 自己流で増やさない | 脂漏性皮膚炎なども含め、皮膚科への相談を検討する |
| 薄毛・生え際・つむじが気になる | 発毛目的では選ばない | オリーブオイルと育毛・発毛対策を分けて考える |
| 家に食用オリーブオイルしかない | 無理に使わなくてよい | 頭皮や肌への使用方法が明記された化粧用製品を選ぶ |
迷ったときのポイントは、「オリーブオイルが良いか」より先に「今の頭皮はオイルを足す状態なのか」を考えることです。

頭皮にオリーブオイルは使える?できること・できないこと
オリーブオイルは植物油のひとつで、化粧品では皮膚を柔らかくしたり、水分の蒸発を抑えたりする目的で使われています。
頭皮への使用を想定した化粧用オリーブオイルなら、シャンプー前のマッサージや保湿ケアとして使える製品もあります。
ただし、ここで「頭皮に使える」と「頭皮の悩みを治せる」は分けて考えることが大切です。
| 期待しやすい役割 | 期待しすぎない方がよいこと |
|---|---|
| 乾燥時のエモリエントケア | AGAや薄毛の治療 |
| マッサージ時の指のすべりをよくする | 髪を確実に生やす |
| シャンプー前の油性汚れとなじませる | 脂漏性皮膚炎を治す |
| 髪のツヤやまとまりを補う製品もある | 白髪を黒髪へ戻す |
「自然なものだから何にでも効く」と考えるより、保湿や洗髪前のケアという役割に限定して使うほうが失敗しにくくなります。
オリーブオイルで髪は生える?「はげに効く」と話題の研究をどう見るか
最近「オリーブオイルで髪が生える」という話を見かける理由のひとつに、脂肪酸と毛包再生に関する研究があります。
2025年に発表された研究では、オレイン酸などを含む一価不飽和脂肪酸と毛包幹細胞の活性化との関係が報告されました。研究としては興味深く、将来の毛髪研究につながる可能性があります。
ただし、ここで一気に「オレイン酸の研究=オリーブオイルを塗れば人の薄毛が改善する」と置き換えることはできません。
研究で扱われる脂肪酸の条件と、市販の食用・化粧用オリーブオイルを家庭で頭皮へ塗ることは同じではないからです。また、AGAなどの脱毛症に対する一般的なオリーブオイル塗布が、確立した発毛治療になったわけでもありません。
ここを混同しないのが大事
- オレイン酸などの脂肪酸について毛髪研究が進んでいる → 研究上の話
- 化粧用オリーブオイルを頭皮の保湿などに使う → 日常の頭皮ケア
- 薄毛やAGAを治療する → 医薬品・医療を含む別の領域
「はげが気になるから、とりあえずオリーブオイルを毎日塗る」という使い方はおすすめしません。薄毛が主な悩みなら、頭皮保湿とは別に原因や対策を考えたほうが遠回りを防げます。

乾燥・フケ・かゆみ・臭いにはどう?悩み別に判断
頭皮の乾燥|オイルを足す前に「乾燥させている原因」を確認
洗髪後につっぱる、細かな皮むけがあるなど、乾燥が気になる場合にはオイルによる保湿が候補になることがあります。
ただし、毎日熱いシャワーを使っている、何度もシャンプーしている、爪で強く洗っているなら、オイルを追加するよりその刺激を減らすほうが先です。
「自分の頭皮は本当に乾燥なのか」を切り分けたい場合は、頭皮が乾燥する原因と正しいケアも確認してみてください。
フケ|白いフケでも乾燥とは限らない
「フケ=乾燥=オイル」と決めるのは少し早いです。
細かい皮むけとつっぱりが中心なら乾燥も考えられますが、ベタつき、赤み、強いかゆみなどが一緒にある場合は別の原因も考えます。
フケの見た目だけで判断しにくい場合は、白い・黄色いフケの原因と見分け方で先に状態を整理すると、不要なオイルケアを避けやすくなります。
かゆみ|塗った後にかゆくなるなら「効いているサイン」ではない
オリーブオイルを使ったあとに新しくかゆみ・赤み・ヒリヒリ感が出た場合は、そのまま続けないでください。
「自然由来だから刺激はない」とは限りません。かゆみが主な悩みなら、頭皮がかゆい原因と対策を先に確認するほうが判断しやすくなります。
頭皮の臭い|オリーブオイルは消臭剤ではない
オイルをシャンプー前になじませることで、油性の汚れを落とす補助になる場合はあります。
しかし「オリーブオイルをつければ頭皮臭が消える」と考えるのはおすすめしません。量が多すぎたり洗い残したりすれば、ベタつきやオイル特有のにおいが気になることもあります。
頭皮オリーブオイルの使い方|クレンジング・マッサージはシンプルでOK
使う場合は、特別なテクニックより「少量・やさしく・残さない」の3つを覚えておけば十分です。
STEP1|頭皮や肌への使用を想定した製品を選ぶ
「オーガニック」「エクストラバージン」という言葉だけで選ばず、化粧用として販売され、肌や髪への使用方法が確認できる製品を選びましょう。
製品に頭皮への使い方や使用量が書かれている場合は、その案内を優先してください。
STEP2|シャンプー前の乾いた頭皮へ少量なじませる
髪全体を油でびしょびしょにする必要はありません。
少量を指先へ取り、乾燥や汚れが気になる部分を中心に頭皮へ薄くなじませます。最初は少なめにして、足りなければ少し追加するくらいで十分です。
STEP3|指の腹でやさしくなじませる
爪を立てたり、毛穴の汚れを押し出そうと強くこすったりしません。
オイルの役割は「強く揉んで効かせること」ではなく、指のすべりをよくして頭皮へなじませること、と考えると分かりやすいです。
STEP4|その日のうちにシャンプーで洗い流す
まずぬるめのお湯でよくすすぎ、その後いつものシャンプーで頭皮をやさしく洗います。
オイルを使ったから必ず2度洗いしなければならないわけではありません。1回で十分に落ちているのに何度も洗えば、逆に乾燥しやすくなる人もいます。
洗髪後にベタつきが残るなら、次回は量を減らすほうが調整しやすいでしょう。

食用オリーブオイルを頭皮に使ってもいい?
「キッチンにあるエクストラバージンオリーブオイルなら高品質だから大丈夫では?」と思いますよね。
食用オリーブオイルがすべて危険という意味ではありません。しかし、食品として品質が高いことと、頭皮への使用を想定して作られていることは別です。
| 比較 | 食用 | 化粧用 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 食べるため | 皮膚・髪などへの使用 |
| 選ぶ基準 | 風味・食品としての品質など | 肌への使用を想定した品質・使用方法 |
| 頭皮に使うなら | 積極的には選ばない | 頭皮や髪への使用案内がある製品を優先 |
つまり、「食べられるほど自然だから安全」ではなく、「頭皮への使い方が確認できるから選ぶ」のが分かりやすい基準です。
脂漏性皮膚炎にオリーブオイルは使える?
脂漏性皮膚炎について検索すると、「オリーブオイルを使う」「油は避ける」という両方の情報が見つかり、迷いやすいところです。
医療の場では、鱗屑と呼ばれる固いフケ状のものを柔らかくして洗いやすくする目的で、医療用オリーブ油が検討されることがあります。
ただし、これは家庭にある食用オリーブオイルを自己流で塗れば脂漏性皮膚炎が治る、という意味ではありません。
赤み、ベタつくフケ、強いかゆみを繰り返している場合は、「乾燥しているからもっと油を足す」と決めず、原因を確認するほうを優先しましょう。
こんな頭皮にはオリーブオイルを使わないほうがいい
- 傷や出血、ジュクジュクした部分がある
- 強い赤みやヒリヒリ感がある
- 膿をもったブツブツがある
- かゆみが強く、何度も掻いてしまう
- 急に抜け毛が増えた、部分的に髪が抜けている
- 何かを塗った直後から症状が悪化した
- 脂っぽいフケや赤みを繰り返している
このような場合は、新しいオイルを追加して様子を見るより、皮膚科などで原因を確認するほうが安全です。
一方、炎症などがなく「ヘアオイルを頭皮につけてよいか」という一般的な使い分けを知りたい場合は、ヘアオイルを頭皮につけていい場合・避けたい使い方も参考にできます。
頭皮とオリーブオイルについてよくある質問
オリーブオイルを毎日頭皮につけてもいい?
毎日使う必要はありません。頻度は使用する化粧用オイルの案内を優先し、ベタつき・かゆみ・赤みなどが出るなら頻度を増やさず中止してください。
オリーブオイルを頭皮につけたまま寝てもいい?
頭皮用として「洗い流さない使用」が案内されていない製品を、自己流で一晩つけたままにするのは避けたほうが無難です。シャンプー前ケアとして使う製品なら、その日のうちに洗い流しましょう。
オリーブオイルで抜け毛は減る?
一般的なオリーブオイルを頭皮へ塗ることで、抜け毛が減ると断定できる根拠はありません。乾燥によるつっぱりなどの頭皮ケアと、脱毛そのものへの対策は分けて考えましょう。
オリーブオイルで白髪は黒くなる?
オリーブオイルを塗ることで白髪が黒髪へ戻ると確認されたわけではありません。髪のツヤが出ることで見え方が変わることと、毛髪の色素が戻ることは別です。
赤ちゃんの頭皮にも使える?
赤ちゃんは大人と皮膚状態が異なります。乳児脂漏性湿疹などでオイルが使われることもありますが、大人向けの頭皮クレンジング手順をそのまま行わず、小児科・皮膚科や使用する製品の案内を確認してください。
まとめ|オリーブオイルは「必要な人だけ、正しい目的で」が正解
頭皮にオリーブオイルを使うこと自体が間違いなわけではありません。
大切なのは、「何となく髪に良さそうだから」ではなく、自分が何のために使うのかを先に決めることです。
- 乾燥感があり炎症はない → 洗い方を見直したうえで、化粧用オリーブオイルを候補にする
- シャンプー前のクレンジングをしたい → 少量をやさしくなじませ、その日のうちに洗い流す
- 赤み・ベタつくフケ・強いかゆみがある → オイルを足さず、原因確認を優先する
- 薄毛・AGA・抜け毛を改善したい → オリーブオイルを発毛対策として使わず、別の選択肢を検討する
「オリーブオイルだから良い・悪い」と決めるのではなく、今の頭皮の状態と目的に合っているかで判断してみてください。
